ホーム>成功するしくみ>第24回 新築一戸建てて住宅の依頼会社選び
住宅選びのなかでも一戸建ての依頼会社選びは、特に難しいと思います。
というのも、一戸建ての依頼会社は、
大手ハウスメーカーから1~2人で家族経営している工務店、
建築士が独立して設計・施工している個人設計事務所まで、
さまざまな業態に分かれて全国にざっと数万社ほどあり、
それらが同じ土俵上で競い合っている・・・
という特有の業界地図があるためです。
その中から自分に合う1社を選ばなければならないわけですから、
混乱してしまいがちなのも無理ありません。
今回は、その業界地図について整理しながら解説してみたいと思います。
一戸建てをつくる住宅会社の種類、一戸建ての建築会社は、
A.「主に建売住宅や土地の売買を専門にする、不動産業者系会社」
B.「主に注文住宅を中心に供給する建築専門会社」
に大別されます。
Aは主に地元の中堅ビルダーや不動産会社に多いのが特徴です。
ここではBの注文住宅系の建築専門会社について書きたいと思います。
注文住宅系の建築会社は、
1.ハウスメーカー(住宅メーカー)
2.(工務店を組織する)フランチャイズ会社(住宅FC)
3.地域(中堅)ビルダー
4.工務店
5.設計事務所(建築家)
の主に5分類に分けられます。
なお、ビルダーと工務店の違いは主に規模の差で、
年間20棟以上の施工販売している会社を地域ビルダー、
年間19棟以下で地元に密着して施工営業している会社を工務店と呼ぶ場合が多いようです。
このうちハウスメーカーは、テレビCMや新聞・雑誌広告、
住宅展示場などで目にする機会も多いので、
皆さんにとってもなじみの深い会社ではないでしょうか。
「いつかはハウスメーカーで一戸建てを建てたい」と憧れる人も多いはず。
知名度がもっとも高いのがハウスメーカーなので、
「一戸建ての依頼先=ハウスメーカー」と思いがちですが、
実は、戸建て業界の中でハウスメーカーが占める位置は一部分でしかありません。
では実際、「ハウスメーカー」「ビルダー」「工務店」の市場に占める
シェアはどうなっているのでしょうか?
「当然ハウスメーカーの割合が圧倒的でしょ!」と思いきや、
意外や意外、実は年間100棟未満(月間10棟未満)のビルダー・工務店が市場の約半分を占めているのです。
日本の住宅施工棟数のシェア率をみると、ハウスメーカーなどが含まれる、年間施工棟数1,000棟以上の会社のシェアは34%ですが、その一方で、
年間施工棟数100棟未満の会社は4割と半分近い比率を占めています。

また、住宅産業研究所の調査でも、ハウスメーカー:ビルダー:工務店のシェア比率=26:20:54と、かなり近い数字が出ています。
さらに、下のグラフの「年間施工棟数からみた会社の数」を見ると、
もっとその構図が分かりやすくなります。
ハウスメーカーの様に年間100~1,000 棟を大々的に手がける住宅企業は、市場でみると2%しかなく、
年間9棟までしか建てない住宅会社が8割にのぼります。
ほとんど年間1桁しか家を建てない中小・零細工務店が
日本の家をつくっている現実がみえてきます。

このように、
地元の零細・中小工務店が半分以上のシェアを握っているという産業構造は、他産業にないきわめて珍しい特徴です。
自動車・家電・日用品業界のように、わずか数社が日本全体の
シェアを競い合っている業界ではなく、大企業からアリのような企業まで数万社に及ぶ住宅会社が、同じ土俵で競争を繰り広げているわけです。
こうした「依頼先の選択肢が多すぎて判断に迷う」という、
複雑な産業構造が消費者をますます悩ましてしまい、
住宅選びがクルマや家電選びと同じ訳にはいかない理由もあります。
しかも、数千万円に及ぶ人生最大の買い物なのですからなおさらです。
ハウスメーカーは戸建て注文住宅に限っても3割のシェア。
建売・マンションを含めた住宅市場全体からみれば、
本当に限られた一部の世界であるわけです。
そうした業界地図とハウスメーカーの位置を把握しながら
家づくりに望むと、より客観的な判断がしやすくなるしょう。